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院長からのメッセージ

インフルエンザ治療薬「タミフル」についての注意事項

 タミフル(有効成分:リン酸オセルタミビル)は、A型又はB型インフルエンザの治療及びその予防のために使用される医薬品で、カプセルタイプ(右写真)と小児用のドライシロップタイプがあります。
  最近、インフルエンザ治療薬「タミフル」を服用した後の小児(学童)の異常行動による事故が報告されています。しかし他の風邪と違いインフルエンザ感染は、それ自体が脳症を起こしやすく、未成年者がインフルエンザにかかると精神・神経症状が出て、異常行動をとる場合があります。
 
 タミフルの服用いかんに関わらず、インフルエンザ発症後2日間は小児(未成年者)を1人にしないよう、ご家族が配慮し十分に注意して看護をするようお願いします。
 タミフルの副作用を心配される方には、別のインフルエンザ治療薬である吸入薬「リレンザ」を処方することもあります。インフルエンザB型では、こちらが効くとの報告もあります。吸入薬である点がちょっと不便に感じられるかも知れませんが、気管支で増殖するインフルエンザウイルスを直接に攻撃して治療します。リレンザは、現在のところ異常行動などの報告はないようです。

 インフルエンザ治療におけるタミフルの位置づけ:
1)インフルエンザウイルス感染症は健康な人にとっては必ずしも「タミフル」を服用しなくても、数日高熱はでますが、1週間もすれば自然に治ることがほとんどです。
2)タミフルを発症初期から服用すれば、発熱期間を1日~2日短縮できます。内服して翌日には解熱することもしばしばです。結果的に、4~5日で治癒します。
3)頻度不明(言い換えれば、非常に稀)であるが、時に重大な副作用もあり得ますが、これは抗生物質など、他の薬にも同様に見られることです。
 
  (参考:タミフルの有用性について)厚労省のHPより抜粋。

(1)医薬品は、人体にとって本来異物であり、何らかの副作用が生ずることは避け難いものです。このため、治療上の効能・効果と副作用の両者を考慮した上で、医薬品の有用性が評価されるものです。
(2)タミフルについては、WHOや欧米においても、インフルエンザに有効な医薬品は実質的にタミフルしかなく、新型インフルエンザ対策の重要な柱として位置付けられており、タミフルとの因果関係を否定できない死亡例が報告されていますが、ごく限られたものです。
(3)したがって、タミフルは医薬品として高い有用性が認められるものであり、通常のインフルエンザ及び新型インフルエンザ対策の上で、必須の医薬品と考えられています。 

タミフル10代の服用を原則禁止。吸入薬リレンザの小児適応。

 

 厚生労働省は3月20日、インフルエンザ治療薬「タミフル」の服用後、12歳の男児が転落し骨折する事故が新たに2件起きていたことを発表。「因果関係は明らかではない」としながらも、「10歳以上の未成年については原則、タミフル使用を控えるよう」添付文書を改訂、医療機関に「緊急安全性情報」として配布するよう輸入販売している中外製薬に指示しました。緊急安全性情報タミフル服用後の異常行動について飛び降りがタミフルの副作用かどうか、まだはっきりと分かってはいませんが、服用後にいくつも異常行動例が出たことで、「社会的措置」として比較的健康で体力があり、異常行動の発生が多い10代に限定して、服用を差し控えるようになりました。

 タミフルに代わるインフルエンザ治療薬としては、吸入剤のリレンザがあり、幸いに2006年より小児適応がとれています。リレンザは、写真のような吸入剤ですが、気道に直接到達し、ウイルスの増殖を阻止し、気道に直接作用することから全身への影響が少なく、耐性を生じにくいと考えられています。吸入であるためか、異常行動などの副作用は、報告されていないようです。

タミフルが10代に使用できなくなった今、当院では小児のインフルエンザ治療には、このリレンザをメインに使用していきます。

スギ・ヒノキ花粉症の傾向と対策

 スギ花粉症の患者数は、全国で約2000万人と言われます。2005年のスギ花粉の飛散は、観測史上最大の飛散量を記録し、花粉症を始めて発症した人も少なくありませんでした。
 2007年春の飛散量は例年をやや下回る地域が多いと予想されています。花粉症の人では一昨年の大量飛散によって花粉に反応しやすい状態となっていると考えられ、十分な注意が必要です。西日本の飛散開始は、2月上旬と予想されていましたが、気温が上がった2月中旬より急激に患者さんが増えています。
スギ花粉症の予防には、抗アレルギー剤を1月下旬遅くとも2月上旬から飲み始めます。飛散時期が終わる4月まで飲み続けるのが効果的です。
  最近では眠気のほとんどない薬もあります。内服薬のほか、必要に応じて点鼻薬、点眼薬も併用しています。内服のステロイド薬は、症状の重い時期のみ使用することがあります。漢方薬も体質改善や症状を和らげる目的で使用されることがあります。当院では、アレルギー科として、総合的な花粉症の治療を行っていますので、お気軽にご相談下さい。

生活習慣病「人間は習慣によりつくられる」

 

 健康は1日でつくられるものではなく、毎日の生活の積み重ねです。生活習慣病とは「食習慣、運動習慣、休養、喫煙、飲酒等の生活習慣が、その発症・進行に関与する疾患群」と定義されます。
 生活習慣病が増加した背景には、現代の豊かな生活が反映しています。豊かな食生活は、摂取エネルギーが過剰となります。その一方で慢性的な運動不足により、消費エネルギーが減少し、このアンバランスが生活習慣病を発症させる要因となっています。
社会環境が複雑になり、精神的緊張が続く生活は、現代人をストレス状態に陥らせています。ストレスは単なる心身症だけではなく、生活習慣病をはじめとしたあらゆる病気の引き金にもなります。
 運動不足を解消するためには、ウォーキングなどの有酸素運動をお勧めします。休息・睡眠を十分とること、規則正しい生活のリズムが健康生活の第一歩です。そして「禁煙」が、あなたの体を癌や循環器疾患から守ることになります。

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