循環器内科(専門)
高血圧症の診断治療
高血圧症とは
高血圧症は、 血圧が持続的に高い状態を指し、 心臓や血管に過剰な負担をかけるため、 心筋梗塞、 脳卒中、 腎臓病などの重大な疾患のリスクを高めます。 一般的には、 収縮期血圧が140 mmHg以上、 拡張期血圧が90 mmHg以上の場合に高血圧と診断されます。
診断方法
高血圧の診断には、 血圧測定が基本です。 また、 以下のような追加検査が行われることがあります。
- 血液検査:腎機能や電解質、 脂質プロファイルを評価します。
- 尿検査:腎臓の状態を確認します。
- 心電図(ECG):心臓の電気活動を評価します。
- 心エコー検査:心臓の構造や機能を詳しく調べます。
治療法
- 薬物療法:ACE阻害薬、 ARB、 カルシウム拮抗薬、 利尿薬など、 個々の患者様に最適な薬剤を選択します。
- 生活習慣の改善:減塩、 適度な運動、 体重管理、 禁煙などの生活習慣の見直しが推奨されます。
- 最新治療:新しい降圧薬やデバイスを活用した治療法もあります。
不整脈の診断・治療
不整脈とは
不整脈は、 心臓の正常なリズムが乱れる状態を指し、 動悸、 めまい、 失神、 胸痛などの症状を引き起こすことがあります。 重篤な場合には、 心不全や脳卒中の原因となることもあります。
診断方法
- ホルター心電図:24時間心電図を記録し、 不整脈の発生頻度やパターンを解析します。
- イベントレコーダー:特定の症状が現れたときに心電図を記録します。
- 心エコー検査:心臓の構造や機能を評価します。
- 運動負荷試験:運動中の心電図を記録し、 不整脈の発生を確認します。
治療法
- 薬物療法:抗不整脈薬を使用し、 心拍リズムの安定を図ります。
- カテーテルアブレーション:カテーテルを用いて異常な電気経路を焼灼し、 不整脈を根治します。
- デバイス治療:ペースメーカーや植え込み型除細動器(ICD)の適用を検討します。
心不全の診断・治療
心不全とは
心不全は、 心臓が全身に十分な血液を送り出せなくなる状態で、 息切れ、 浮腫、 疲労感などの症状を引き起こします。 慢性心不全と急性心不全に分類され、 原因や重症度に応じて治療が異なります。
診断方法
- 心エコー検査:心臓の構造と機能を詳細に評価します。
- 血液検査:BNPやNT-proBNPなどの心不全マーカーを測定します。
- 心電図:心臓の電気活動を確認します。
- 胸部X線:心臓の大きさや肺の状態を評価します。
治療法
- 薬物療法:ACE阻害薬、 ARB、 ベータ遮断薬、 利尿薬、 ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬(MRA)などが使用されます。
- 生活習慣の改善:塩分制限、 体重管理、 適度な運動が推奨されます。
- デバイス治療:重症例では、 心臓再同期療法(CRT)や植え込み型除細動器(ICD)が考慮されます。
虚血性心疾患の診断・治療(狭心症、 心筋梗塞)
虚血性心疾患とは
虚血性心疾患は、 心臓への血流が不足する状態で、 狭心症や心筋梗塞を引き起こします。冠動脈が動脈硬化や血栓によって狭窄・閉塞することが原因です。
診断方法
- 心電図:ST変化やT波変化を確認します。
- 心エコー検査:心臓の壁運動や機能を評価します。
- 冠動脈CT:冠動脈の状態を非侵襲的に評価します。
- 冠動脈造影:冠動脈の狭窄部位を直接確認します。
治療法
- 薬物療法:抗血小板薬、 スタチン、 硝酸薬、 ベータ遮断薬、 ACE阻害薬などが使用されます。
- カテーテル治療:冠動脈の狭窄部をバルーンやステントで拡張します。
- 外科治療:重症例では冠動脈バイパス手術(CABG)が行われます。
脂質異常症の診断・治療
脂質異常症とは
脂質異常症は、 血液中のコレステロールや中性脂肪の異常値を指し、 動脈硬化や心血管疾患のリスクを高めます。 特に、 LDLコレステロールの増加やHDLコレステロールの減少が問題となります。
診断方法
- 血液検査:総コレステロール、 LDLコレステロール、 HDLコレステロール、 中性脂肪の値を測定します。
- 家族歴の確認:家族に脂質異常症や心血管疾患があるかを確認します。
治療法
- 薬物療法:スタチン、 フィブラート、 エゼチミブ、 PCSK9阻害薬などが使用されます。
- 生活習慣の改善:食事療法 低脂肪・高繊維食 、 運動療法、 体重管理が推奨されます。
- 最新治療:新しい薬剤や治療法が開発されており、 個々の患者様に最適な治療を提供します。
このように、 当クリニックでは、 最新の知識と今までの多くの経験を駆使して、 循環器疾患の診断・治療に取り組んでいます。
早期発見と適切な治療が重要ですので、 症状がある方や心配な方はお気軽にご相談ください。